痛いところは悪くない

 

少し難しいかもしれませんが解剖学の話です、

人間の体は様々な組織によって作られていますが、今回は身体調整のお話なので内蔵等はおいておいて、人間の姿勢、つまり形をつくる組織、

筋骨格系のお話です。

 

人体は沢山の骨が組み合わさっていますが、骨は勝手には動きません。
骨組みをうごかしているのは筋肉です。

ですから筋肉の引っ張る力の強い方に骨は引っ張られます。

更に少し専門的な仕組みとして人間の体は任意の動きには、必ず、逆方向への動き、つまり元の方向に戻す動きが必ずできます。

当たり前ですよね、手を上げたまま戻せないなんてことはありませんから

その時に任意の動きの時に働く筋を主導筋と言い、戻す筋を拮抗筋と言います

言い方を変えると、骨を右に動かす筋があれば、必ず左に動かす筋があるという事。

 

さあそして、今度は痛みの話です　筋肉の痛みに限定しますが、タイトルにもあるように、「痛いところは悪くない」ということ。

例えば、分かりやすいところで言うと腰痛、肩こりを例に挙げて話しましよう。

肩こりなんかの時みなさんは凝ったところをマッサージしますよね
しかし本当の犯人は他にいます。それは先程の骨を動かす筋肉の話を思い出してもらいたいのですが、
骨を右に引っ張る筋肉と左に引っ張る筋肉の話です、

結論を先に言うと骨を引っ張る筋肉の反対側の筋肉が凝ってしまう、或いは痛くなるという事です。

業界の方は理解されてると思いますが、少しややこしい話ですが、筋肉の痛みは筋肉痛等のその筋肉を激しく運動させて出てくる痛みでなければ、多くの場合　その筋肉ではなく、反対側の筋肉が骨を引っ張り、反対側の筋肉に痛みを出していることが多いんです

 

でも皆さんは凝った時、痛いとき、その場所の筋肉を揉みますよね
反対側が犯人なのにもかかわらず

 

そうするとその時は一旦筋肉がほぐれて痛みが楽になるのですが
その後犯人はより強度をまして引っ張りまわしますのでより痛くなることが多いんです。

 

この様な経験したことありませんか。
揉んでも揉んでも、またすぐに凝ってきてしまう、腰痛もマッサージにい行くとその時は楽になるけど、しばらくするとすぐに痛くなる等

こうなると人間はより強いマッサージを求めたり、マッサージの回数をふやしたりしてしまいます。

 

これを繰り返してしまうと骨の位置がどんどんずていき全体では体が悪くなってしまう可能性があります

肩こりなんかは非常に分かりやすいですが、肩こりは頭が前に傾き、その頭を首や肩を筋肉が引っ張る事で肩こりが起こります。

なのでその筋肉をもみほぐしてしまうと、さらに頭が前方にずれてしまい、肩こりがひどくなってしまいます。

 

当スクールではこのような状態を、犯人と犠牲者とに分けて説明を良くしますが、本当の犯人を調整しなくてはいけないのに、犠牲者を揉んでいてはどんどん体が悪くなってしまうという事です。

少し専門的に言うと、この犯人ではなく犠牲者への対処だけをする治療を対症療法と言います、本来はやはり犯人を見つけて、適格な対処をする根本療法を受けて根本解決が望ましいと思います。

絶対とはいいませんが患部の処置のみを治療される治療院は犯人が分かってないのかもしれません。

皆さんの治療院探しの参考になれば幸いです。

 

 

この様な視点から解剖学を学んでいくと、案外痛みを取ったり、姿勢を変えることはそんなに難しくありません。研修会でも基本は、痛い箇所を揉むことはまずしません。

必ず犯人を捜します。

研修会への入門間もない方は驚かれますね。

研修生の方の固定観念を壊すところからスタートします。

研修会の記録はまた後日書きます。