今回は研修会の記録です。

ベーシックコース、基礎課程ですね。

基礎課程でも当スクールは、教科書をなぞるだけのような授業はしません、基礎解剖+実践的な機能解剖を理解してもらう事で、対症療法では治せない症状を改善させるノウハウを身に着けてもらっています。

今回のトピックは「肩甲骨」

皆さん肩甲骨はご存じですよね、そうです、背中にある二つの三角の骨です。何となく肩を動かすと肩甲骨も動きますよね。

 

皆さんその位はご存じなんですが、それ以上の事はあまりご存じない方が多いです。例えば、

 

肩甲骨がどの骨とつながっているとか

どのくらい動くのかとか

どの位置にあるのが正しい位置なのか、等

 

肩甲骨という名前は良く聞きますが、詳しい事はあまり知らないのが実情でしょう。

 

実はこの肩甲骨、腕と体幹をつないでいます。

体幹　→　肩甲骨　→　上腕骨（腕の骨）　といった具合です。

ですから腕を動かすときには必ずこの肩甲骨が一緒に動きます。

 

そして肩甲骨は背中に位置していながら、背中とはくっついていません。

肩の先端をくるっと周り、体の前面で鎖骨とくっついて胸骨と言いますが、ちょうど喉の下の骨にくっつきます。

つまり、人間の腕は何となく肩のあたりにくっついているような気がしますが、実は肩甲骨を介してこの喉の下の胸骨にくっついているのです。

試しに鎖骨を触ったまま腕を動かしてみましょう、鎖骨が連動して動くのが分かります。

 

ここで皆さんに考えてほしいのは、人間の腕は、体の前面には沢山の可動域がありますが、後面、つまり背中の方へはあまり動きませんよね。

 

進化の過程で四本脚であったことを考えると、想像がつくかと思いますが、

何が言いたいのかというと、人間の体はもともと、腕（肩）は前に行きやすい構造をしているのです。

肩甲骨も元々は背中ではなく体の側面に配置されていました。

いわゆる、この記事のタイトルにもある、巻き込み肩です。

 

日常生活をする中で我々は当然手を使います。

しかも、目が前面についていますから、これも当然ですが体の前で手を使いますね。

その時に多く使う筋肉が、胸やわき腹の筋肉です。

すると、それらの筋肉が緊張してきます。そうするとなおさら肩、腕が前に巻き込まれ、肩甲骨の本来の定位置の背中の位置に中々戻らなくなってしまいます。

 

姿勢の癖が出来てしまうんですね。

以上のような理由から巻き込み肩の人が多いんです。

 

ではこのように肩甲骨が、巻き込んでくると一体何がよくないのか？

 

まず、簡単に言うと猫背になります。

肩甲骨は周囲の筋肉の走行から、きれいにまっすぐ巻き込むことはなく、前下方に巻き込みます、そのためどうしても巻き込み肩が出来ると同時に、猫背になってしまいます。

そして猫背が出来れば、顔が前に出ることになり、ストレートネックが出来ます。

そうなれば、肩こりや首の凝り、さらに進めば頸椎の問題、しびれ等の症状になりかねません。

 

ですからできるだけ肩甲骨は後ろに位置させる事が重要と言えます。

 

その為のストレッチを一つ提案します。どこでも出来る簡単ストレッチです。

どこか壁や柱を探し腕（出来たら肘を、無理なら手首あたりでもOK)をひっかけて、胸や肩の前面を伸ばしながら、前に体重をかけていき、３０秒から１分保ちます。

それを、三回ほど繰り返します。

（不調が出るようならやめましょう）

 

他にも沢山セルフケアのテクニックはありますので随時アップしていきます。

肩こり、首凝り、肩の痛み、肩がゴリゴリなる、背中の痛み、腰痛などにも効果の出る可能性がありますので、是非日常的に使ってみて下さい。

 

今回のように、人間の体は使いっぱなしにしておくと、必ずだれしも出来てしまう様な歪みと言うものがあります。

その為必ず体のケアというものは必要になります。

少しずつ皆さんの意識を変えていけるよう、情報発信していきます。