コロナの自粛期間中にゲーム、スマホ、宿題と、猫背の要素が多かったせいか、このところ当院には猫背や猫背からくる肩こり、頭痛等で来院される子供たちが増えました。

 

うちの息子もそうですが、一日中スマホ、PC、宿題、ゲームでしたから、無理もありません。

成長期前の子供たちは、まだまだ体がどんどん変わっていく時ですから、少しの姿勢の崩れは慌てて調整の必要はないというのが当院の考えですが、今回の自粛は少し期間が長かった為、症状が出てきてしまっていましたから、これは何とか治していくしかありません。

 

まぁ子供たちの柔軟な体なら治りも早いんですが、中にはしっかりと癖がついてしまっている子もいました。

そして今回、感じたのは親御さんたちの対処が皆さんまちまちだったという事。

子供の猫背が気になって、

体操をさせる人

ウォーキングをさせる人

マッサージをしてあげる人

ストレッチをさせている人等

千差万別でした。

 

間違っていない処置もあれば悪くさせてしまってるケースもありましたから、正しい情報が必要ですね。

今回はこんがらがってしまわないように、なるべく専門的な用語は使わず一般的な言葉で説明していきます。

 

まず猫背はいったい体のどこが作り出すのか？

ちなみに「背骨」ではありません。

 

答えは「骨盤」と「肩甲骨」です。

では骨盤から説明していきます。わかりやすい例を挙げると、皆さん椅子に腰かけることってあると思いますが、その時に浅く座り、背もたれに背中をあずけ、だらっとふんぞりかえって座る座り方をしたことがあるかと思いますが、あれが猫背の一例です。骨盤を後方に倒してしまっています。

こうなると背骨が後方に立ち上がり、その結果、顔が前に出るような状態になってしまいます。

他にもソファーでリラックスの状態や、車の運転でも背もたれを倒し気味の方は同じような状態になりますね。

逆に腰かけに深く座り骨盤をしっかりと立て、背中を背もたれに沿わせるように座ると自然と顔が後方に下がってきます。

 

 

ですから猫背対策の一つは骨盤をなるべく起こして座るという事です。

でも皆さん、実際にやってみれば分かりますが、先ほどの悪い座り方の方が楽なんですね。だからリラックスするときにはほとんどの方があのような座り方をしてしまいます。ですから絶対にしてはいけないというわけではありません。人間リラックスしてくつろぐ時間もあっていいと思います。

ただ一日中と言うのは少し長すぎますので、メリハリをつけることが大事です。せめて勉強の時くらいは、机を適正な高さに調整し、椅子に深く腰掛け、骨盤を起こし、なるべく良い姿勢でできるとよいですね。

 

次に重要な箇所は肩甲骨です。肩甲骨は背中にくっついている三角形の骨ですね。大事な事はこの肩甲骨には腕の骨がくっついています。

ですから、勉強で手を使い、ゲームで手を使い、スマホで手を使い、手を沢山使っていると、手に引っ張られて肩甲骨が前に巻き込んできてしまいます。

そしてこの肩甲骨と頭や首がくっついているため、顔が前方に引っ張られ、これも猫背を作り出してしまいます。これの対処は、もう伸ばしておくしかありません。

勉強もゲームもスマホも手を前で使いますからしかたありません。

注意出来るとすればなるべく肩を後ろに引いておくとよいですね。

そして今回の処置でしてはいけない対処法というのがあります。

最近の子供たちは勉強の量も非常に多く、またスマホやゲーム等の遊びが主です。ですから大人と同じように肩こり、腰痛の子供が非常に多くなっています。

そうすると、親御さんが子供の肩をもんだり、腰、背中をマッサージしてあげるそうで、結果としてそのマッサージが子供の姿勢を余計に悪くしてしまっている事があるのです。

 

ほとんどの場合は肩や背中を揉む訳なんですが、背面の筋肉だけを柔らかくしすぎると、体をまっすぐに支える力が弱くなります。

そして猫背がひどくなります。

 

ですから一時の解消なら少しはいいですが繰り返しの「患部のみのマッサージ」は考え物です。

 

この様に子供に限らず、猫背の出来るメカニズムは骨盤や肩甲骨の使い方によるところが大きいんです。

以前にご紹介したストレッチ等で十分に治す事が出来ますので、揉んで楽にするのではなく、出来るだけ姿勢を正しで肩こりの出来にくい体を作りましょう。